はじめての方へ

歯痛の応急処置を知っていると年末年始など歯科医院が休みでいざという時に助かります。歯の痛みは老若男女を問わず、我慢ならない痛みの代表といえます。

まず、歯に食べたものが入りこんでいたら取り除いておきます。虫歯の痛みの中で、冷たいものや熱いものが沁みるという場合は、虫歯の穴に固く丸めた綿をつめて、直接刺激が伝わらないようにします。

歯痛は頭痛薬などの鎮痛剤を用いると抑えられます。痛み止めには正露丸やバファリン、イブ、今治水などが効果的です。お子さんには小児用バファリンなどが安心です。内科や整形外科に通院していたらロキソニン、ボルタレン、カロナール等の痛み止めや消炎鎮痛剤も意外に歯痛に効果があります。

ただし、みな薬品ですから用法、用量を守る、またアレルギーの問題もあるのであくまで自己責任で使用したほうが望ましいです。

さらに合谷というツボも効き目があり、このつぼ押しが一番簡単な歯痛の応急処置といえそうです。歯痛の原因はさまざまで、三叉神経、親知らず、知覚過敏、虫歯、疲れ（ストレス）などがあります。

また激しい肩こりを感じた時、結局歯痛が原因だったということもあるようです。歯痛の対策、治し方、対処法としては、まずは冷やすことが基本です。化膿、蓄膿、炎症など、さまざまな症状が感じられたら、まずは歯科医院にかかるのをおすすめします。

歯痛の応急処置

歯痛の応急処置を知っておくと便利です。歯痛の応急処置を知っていたら、年末年始など歯科医が休みの時など歯痛の応急処置が必要な時に力を発揮できるからです。

虫歯は放っておいても治りません。歯には自然治癒力がありません。歯痛の応急処置で歯痛を感じなくなっても歯科医には一度は訪れたいです。歯痛の応急処置はあくまで応急処置です。かかりつけの歯科医で処置をしてもらった方が後々安心です。

歯痛の応急処置として、まず歯に穴が開いていないかチェックします。穴が開いていて、食べ物カスがつまっていたら取り除きます。

次の歯痛の応急処置はタオルを水や氷水で冷やして、それを頬に当てます。また冷却シートを頬に貼っても大丈夫です。

他の歯痛の応急処置としては、体を温めると痛みがひどくなるので、その日はお風呂には入らないようにします。また他の歯痛の応急処置としては、アスピリンなどのアレルギーがない場合は鎮痛剤のバファリンなどを服用します。

歯痛の応急処置に有用なツボ押しもあります。代表的なものに合谷というツボがあります。このツボは親指と人差し指の間にあります。ちょうど親指の骨と人差し指の骨が交わる辺りの凹んだ所を押します。他にも頬車、列欠、照海などといった歯痛の応急処置に効くツボがあります。

歯痛の応急処置（腫れ）

歯痛の応急処置で歯痛の腫れがある場合があります。歯痛により顔が腫れます。リンパ節まで腫れ、応急処置だけではなかなか歯痛が治まらない場合です。

このような応急処置が必要な歯痛が激しい場合は、歯痛を和らげる鎮痛剤を応急処置として処方してもらいたいです。

また、応急処置が必要な歯痛を伴う歯茎の腫れは歯周病の場合が多いです。これらの症状は、毎日の歯磨きを怠ったり、喫煙、過度のストレスなどにより発症しやすくなります。歯磨きは、歯垢や歯石、歯茎の腫れを防ぐためにも、歯だけでなく歯茎もしっかり磨くようにします。

歯の周りの歯肉が腫れているなら、応急処置としてイソジンうがい薬を少し濃く作り、毎食後の他こまめにゆすぐと歯痛が落ち着きます。ただし歯肉の奥深くや根っこの先で腫れている場合はあまり効果はありません。

歯痛の腫れは根本治療としては、歯科治療しかありませんが、応急処置として症状を和らげるならば、鎮痛剤などが役立ちます。

歯も歯茎も健康であるにも関わらず歯痛と腫れを伴う場合は、疲労とストレスが関係している場合もあります。この場合の応急処置としては、しっかりと休養を取ることと、ストレス解消につとめることです。もちろん歯痛が治まった後は歯科医で詳しい症状を確認したいです。

歯痛のツボ

歯痛のツボは意外に多くあります。歯痛に有用なツボは急な歯痛の応急処置として効果的です。

突然襲ってくる歯の痛みは強烈です。そんな時は、手のひらにある歯痛点と手の甲にある合谷を刺激します。

歯痛点は手のひら側の中指と薬指の付け根の間に位置します。歯槽膿漏による痛みは、この歯痛点のつぼを刺激するのが効果的です。ツボを刺激する時のコツは、痛いと感じるくらい強めに刺激することです。親指と人差し指で挟むようにして、やや強めに押しもみます。ツボ押しは左右交互に何度も繰り返します。当然ながら、歯痛や歯槽膿漏そのものを治すことはツボ押しではできません。あくまで応急処置としての知識としてください。

合谷のツボは、歯痛以外の症状でも有効なツボです。場所は、親指と人差し指の付け根の間です。痛いと感じるくらい強く押したり揉んだりします。合谷のツボを、つねったりツマ楊枝で突くと一層効果的です（ツマ楊枝を使う場合は、ツマ楊枝数本を輪ゴムで束ねて使用すると便利です）。

下関(げかん)のツボはほお骨のちょうど中央あたりにあります。口を開けると少しくぼむところにあるツボで有効です。頬車(きょうしゃ)も歯痛に効きます。顎のエラの少し上にあるツボです。奥歯をギュッと噛みしめると肉が盛り上がる所です。このツボは歯痛だけでなく、食欲増進や小顔にも効果があるそうです。

歯痛で神経に痛み

歯痛が神経にまで及んでいる場合激しい痛みを伴います。我慢ができないような場合、虫歯が深くまで進行して歯の神経である歯髄が炎症を起こして歯髄炎になっている可能性が最も考えられます。

神経まで侵されている歯髄炎の場合は氷水を口に含んで歯を冷やすことにより炎症を抑え、また、歯髄が入っている空洞である歯髄腔の内圧を下げることができますので、歯痛をかなり抑えることができます。

歯痛は、歯の中に歯髄という神経や血管が通っているために起こります。歯痛と神経は切っても切り離せないものです。しかし、歯痛と神経の関係性は人によって違います。虫歯による歯痛は、一般的に象牙質まで虫歯が進行して、神経に刺激が伝わるようになった段階で感じられるようになります。しかし、人によっては、この段階で歯痛を感じることなく、虫歯が神経や血管が通う歯髄にまで達してから歯痛を感じる方もいます。

歯痛などの痛みに強かったり、歯痛薬の効きが良かったり、歯髄が死んでいる状態で歯科医に行く人もいます。この場合歯痛は感じません。この段階で感じる歯痛は、歯髄とつながっている歯肉（歯ぐき）の中を通る神経に刺激が伝わっている場合と、その神経に炎症が起きている場合です。神経に炎症が起きている場合の治療は、ひどくなると大学病院で全身麻酔を用いての手術が必要になる可能性があります。

歯痛の市販薬

歯痛の市販薬は様々な痛みに対応します。歯痛の市販薬の多くは鎮痛剤と呼ばれる市販薬です。歯痛の他に関節痛、頭痛、骨折痛、筋肉痛など痛み全般に対応します。

現在販売されている歯痛の市販薬では、今治水、バファリンなどが有名です。ボルタレン、ロキソニン、カロナーなどこれら鎮痛剤は、歯痛にも効果を発揮しますが、胃に負荷がかかる場合が多いとされています。そのため胃薬との併用が勧められています。

歯痛の市販薬で注意すべきポイントは鎮痛剤どうしの併用が挙げられます。鎮痛剤という薬種は、決められた時間を守ることが特に重要で、一つの薬が効かないからと、別の薬を服用することは避けたいです。

一般の歯痛の市販薬の鎮痛剤よりは、病院処方のほうが薬効が強いため使い分ける必要性があります。薬効が強い薬は、副作用も強くなるので注意したいです。歯痛に限らず、市販薬の鎮痛剤の長期連用は避けたいです。鎮痛剤は、痛みを抑えるという特性上、薬効が強い場合が多く、歯痛を抑えてしまうことにより症状の進行に気づかない場合があります。

歯痛の市販薬は他の部位の痛みと比べた場合、歯痛に対して市販薬の鎮痛剤が効かない場合も多々あります。一つの薬が効かないから他の薬を試すよりは、歯科医で治療を受けたほうが確実です。

他に医師の診断を受けている人、アレルギー体質の人などは歯痛の市販薬を自己判断で使用せずに、医師や薬剤師に相談しましょう。

歯痛について

歯痛の原因は虫歯や歯周病（歯槽膿漏）などがあります。その他にも、親知らずの難生症、三叉（さんさ）神経痛、上顎（じょうがく）がん、神経や口の周りの組織に問題がある場合やストレスによるケースなどさまざまです。

鼻から膿が出る蓄膿症（副鼻腔炎）が奥歯(特に６番：第一大臼歯)の虫歯が原因で起る時もあります。意外な所では狭心症で歯痛を伴うこともあります。頭痛や肩こり、疲れなどと一緒に歯痛の症状が出る場合もあり、重い病気にかかっているときもあるので、歯の治療が終わった後もそれらの症状がある場合は該当する専門医に相談しておきたいです。

急な歯痛の場合は応急処置としてバファリンなどの市販薬の服用やツボ押し等が有効です。腫れた患部を冷やしたり、下関や頬車などのつぼ押しも効果があるようです。病院では痛み止めにロキソニン等が処方されると思います。

妊娠初期での歯科治療に不安がある方もいますが、レントゲンや麻酔は胎児に影響が無いとされています。心配な方は歯科医と相談の上、治療法を決められるのがいいかもしれません。

妊娠中の歯痛の原因は、免疫力が下がりやすく、唾液が酸性化して、口内に細菌が繁殖しやすい状況になります。予防対策としては、こまめに歯磨きやうがいをして、口内環境を常に清潔な状態にすることが大切です。

歯痛と頭痛

歯痛と頭痛では一見関係ないように思います。しかし、歯痛を感じると同時に頭痛を感じる場合があります。多くの場合、ストレスが過剰に溜まった状態から、歯痛がはじまり頭痛に発展するというケースが多いようです。また、生活習慣が偏っている場合なども、これら症状が同時に発生することがあります。

他に、頭痛の中で歯痛と関係があると思われているのが群発頭痛です。群発頭痛は眼の奥がえぐられるような鋭い痛みを伴い眼が充血し涙が出たり、鼻がつまって鼻水がでたりするのが特徴ですが、かなりの高確率で歯痛も併発します。しかも、発作と発作の間に歯痛が出ることが多いので、歯痛が原因で起こっているんだと勘違いして歯科医さんに行くことがよくあります。

そして歯科医も、原因は分からないけど、歯痛と言っているんだから何か異常があるんだろうということで健康な歯を削ったり、抜いてしまう、といったことも少なからずあるようです。

実際、群発頭痛患者の約42％が歯科を受診しているというデータもあります。もしも歯痛と頭痛が伴う場合、歯科医では原因が分からないと言われ、目の奥に鋭い痛みを感じることがあり、頭痛の発作も起きているような人は、一度頭痛を専門とする脳外科や神経外科に相談すると群発頭痛と診断されるかもしれません。

肩こりと歯痛

肩こりと歯痛の関係は深く、さまざまな原因が考えられます。肩こりと歯痛はセットになって表れることが多い症状です。肩こりを治すと歯痛が治まったり、逆に歯痛を治したら肩こりが治まるケースもあります。

肩こりと歯痛は治療による緊張から無意識に肩に力が入ってしまい肩のこりをおこす場合もありますし、治療によって歯そのものがダメージを受けてしまい、肩のこりという形で症状を引き起こしてしまう場合もあります。

歯痛が直接的に肩こりと関係があるというわけではありませんが、左側の歯に虫歯があって、その歯で食べ物を食べると歯痛が起きる場合、右側の歯を使って咬んで食べるというように、片方の歯だけを使うことにより、顎に必要以上に負担がかかります。そのことが肩のこりの原因となることもあるようです。その負担のために顎関節症にまで発達すると、口を開くこともできなくなります。また、顎関節症が原因で肩こりの症状が起きる場合もあります。

歯痛と肩こりの原因として奥歯や親知らずの炎症で歯痛を感じ、周囲の筋肉が緊張して、肩こりが起きるともいわれています。また、歯痛が起きると、なかなか痛みが緩和されず、精神的にイライラしたり、集中力がなくなることがあります。そのような精神的なストレスから肩こりになる場合もあります。歯痛が原因とされる肩こりの場合は、その原因である歯の治療を行い、完治すれば肩こりはほとんど治まるはずです。

歯痛とストレス

歯痛とストレスとにまつわる症状には、非定型歯痛、または特発性歯痛と呼ばれる症状があります。

非定型歯痛は歯科医で治療したのに歯の痛みが治らない、歯科医で検査しても原因がわからない特に40代以上の女性に多くにみられる症状です。

非定型歯痛の原因は、精神的なストレスから引き起こされるものといわれています。精神的なストレスにさらされると、血中に含まれるカテコールアミンが増加して、歯の周囲にある血管に悪影響を及ぼし歯の痛みが起きるとされます。

しかし、非定型歯痛において注目すべき点として、原因不明の歯の痛みを訴える人たちのほとんどが、以前に歯の治療を繰り返して受けているという事実です。そこで過去の治療の際に、歯から脳へ痛みを伝える神経のネットワークがストレスなどの原因から混乱してしまい、原因不明のストレス歯痛が引き起こされるのだとする神経因性説が現在では最有力となっています。

非定型歯痛になった人は、精神的なストレスから無意識に歯ぎしりをすることもあるので、歯に余計な負担がかかってしまうことになります。ストレスと歯痛は、一見なんの関係もないように思われますが、現代社会はストレス社会とも呼ばれており、忙しい現代人はストレスを上手に解消する方法を見つけることが、心身と歯の健康を保つ秘訣なのかもしれません。